マンモグラフィー検査は、乳がん検診の検査メニューのひとつとして広く採り入れられている方法で、初期段階の乳がんの小さなしこりなども見逃すことがないため、早期発見の切り札として期待されているものです。このマンモグラフィーは、透過撮影がしやすいように形状は工夫されているものの、従来からあるようなエックス線撮影装置の一種であるため、放射線の被曝を気にする人もいることでしょう。ただし、この乳がん検診のマンモグラフィーによる被曝というのは、全身ではなく部分的なものであることに加えて、1回あたりの被曝量も0.05ミリシーベルト程度です。これは、一般の公衆が1年間に受ける自然放射線の被曝量2.4ミリシーベルトの50分の1程度というわずかなものであり、特に発がん性などの懸念はほとんど無視できる水準とされています。

乳がん検診でマンモグラフィーを使わない方法として、触診やエコー検査というものもあり、このような方法であれば放射線に被曝する心配はないというのは事実です。しかしながら、触診だけでは小さなしこりまでを発見することはできず、また、エコー検査には検査機器や画像の判読技術などの統一的な基準がないため、乳がん検診での有効性が科学的に確認されていません。このようなことから、乳がん検診においては当面はマンモグラフィー検査に頼らざるを得ず、被曝のリスクとがんの早期発見のメリットを比較すれば、メリットのほうが上回るという判断に立って検査が行われているのです。

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