火傷は、火によって肌が傷つけられてできる傷のことです。火傷の程度については、皮膚に受けた火による熱の温度及び熱を受けた時間によって決まるという性質を持ちます。つまり、触った対象がもしも高温状態であった場合でも瞬間的に受けた熱については比較的浅い傷に留まるためそこまで問題なく治療することは可能です。しかし、低温でも長い時間触れ続けていた場合には深い傷害になってしまうことがあります。
そのため、低温火傷でも油断しないようにしておくべきといえます。火傷が出来た場合、軽度であれば元通り傷跡を残さず治す事ができる点は普通の傷と同じです。しかし、中度から重度の熱傷の場合には皮膚に傷跡ができやすくなります。傷跡のことを瘢痕と呼びます。
けが・病気または手術によって一旦皮膚に傷をつけた場合には、そのあとに線維組織ができることによって傷は修復されます。この線維組織が瘢痕のことです、実は熱傷に限らずどんな傷でも、あとに必ず瘢痕は残ってしまいます。目立つ瘢痕を目立たなくさせることまでが医師の仕事といえますが、目立たなくなるように見えても残っているということは理解しておきます。目立たない傷の跡であれば日常生活では支障はありません。
ただ瘢痕では目立ってみえる場合もあります。その特徴としては、赤く盛り上がって見える、俗にいうミミズ腫れと呼ばれる状態や引きつれが出ている状態のことなど様々です。ミミズ腫れのことを肥厚性瘢痕またはケロイドという名称で呼びます。重度の火傷によってできる傷の跡は肥厚性瘢痕またはケロイドができやすくなります。
ケロイドの場合、ケロイドができた部分に強い痒みを伴うことがあります。肥厚性瘢痕またはケロイドの治療には長期間かかることを留意しておきます。