「人間ドックでがんを見つけて絶望的な立場に置かれるよりも、知らないでいた方が良い」という考え方もあります。確かに、高齢の方であればたとえ延命できたとしてもその後の人生はそれほど長くはありません。かえって人間ドックでがんを見つけて辛い気持ちになるよりは、知らないままで好きなように生涯を過ごした方が良いかもしれません。しかし、だからと言って人間ドックを受けない方が良いということにはなりません。

若い人であればこれから何年も生きる体ですし、早期に発見出来ればそれほど辛い治療をせずとも完治できる可能性だってあります。がんは元々自分の細胞の一部なので、高齢になればなるほど、がん細胞の成長も遅くなります。しかし、新陳代謝が活発で新しい細胞がどんどん生まれてくる若い体では、がん細胞もどんどん作られてしまいます。つまり、若い人ほど進行が早くなってしまうのが、がんという病気なのです。

高齢者になっても人間ドックを受けて適切な治療を受けることは望ましいですが、人間ドックでがんが見つかったからと言ってすぐに治療しなければいけないわけではありません。医師の中には積極的に放置治療を進めている人もいます。放置治療と言っても、全く何もしないわけではなく、患者側から治療の要望があれば治療を行います。しかし、あえて辛い治療をしたくないという場合には定期的に検査を行いながら騙し騙し対応していく方法もとられます。

がんだからと言って治療に対する絶望感を抱かなくても良いということです。

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